生理用品と古書の雑記

むかしの女性はどうしてた?古雑誌でたどる月経帯からアンネナプキンまで
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月経帯時代の生理用品広告頻出キーワード
衛生、軽快、頗る、自由。
これらは1900年代の初め頃から1945年までの
女性雑誌の生理用品広告の説明文に使われていた単語で 
「頗る暖かで具合よく」や「御運動には頗る自由」、
「安全、衛生、軽快、堅牢で心からなる安らかさ」 のように使われています。

 当時の生理用品広告は、どのような言葉で商品価値を伝えていたのか? 
ということを探るため、1908年から1945年の間に発行された 
『婦人世界』『主婦之友』『婦人倶楽部』など女性雑誌に掲載されている 
生理用品広告約150点の説明文を書写し頻出する単語を調べました。 

頻出単語は「衛生」が一番多く75回、以下 
「安全」42回、「自由」38回、「運動」36回、「安心」「手当」28回、
「粗相」26回、「便利」25回、「心配」21回、「活動」20回、
「憂い・憂鬱」「簡単」17回、「軽快」「健康」15回、「不安」14回、
「頗る」「時代」12回、「簡便」12回、「子宮・子宮病」11回、
「銃後」10回、「節約・代用」8回などです。 

「衛生」というキーワードが生理用品の広告と結びついたのは、
 明治時代半ば以降に、医師たちによって 
適切な生理処置方法が提唱された(※1)ことからだと考えられます。 
適切な処置方法とは、 
それ以前の紙や襤褸布などで自己流の対処法をするのではなく、
 月経帯と脱脂綿のセット使いという方法です。 

それ以外は不適切な方法で病気を惹き起こすとまで言われていました(※1)。 
そのため当時の生理用品広告では、不適切な処置方法を行うと 健康を害し
子宮病やヒステリーになると半ば脅しのように伝えています。 

大正時代に入ると広告の掲載数も徐々に増え、
生理用品は医師の提唱する方法で衛生と病気予防のために使いましょうと
 啓蒙する広告から、「柔軟にして伸縮自在なる独特の材料」のように、
 他社との違いや商品価値そのものをアピールする内容も加わり、 
イラストや図、写真などを使った広告が増えています。

 昭和以降での特徴的な単語は、1930年代後半からみられる
「節約」「代用」に加えて、「今、銃後女性の生活必需品」や、
「銃後を護る明朗女性美」のように 「銃後」が挙げられます。 
「銃後」とは、戦場の後方、直接戦闘しない一般国民(※2)をさす言葉です。 

これらの単語を用いた広告は、
 生理用品の使用目的を別の目的にすり替えて伝えていますが、 
当時では生理用品広告に限ったことではありませんでした。(※3)

 現在の生理用品広告との比較は難しいですが、
その時々の状況(または世相)で 生理用品をアピールし、
売るために用いられた言葉に違いはあっても、
一貫して生理用品の必要性を伝えるという点では
どの年代でも変わらないと思います。 

以上が1900年初頭から1940年代までの生理用品広告の説明文を
書き写し頻出語調べにあたっての覚えです。


 ※参考書籍等 
1『生理用品の社会史 タブーから一大ビジネスへ』田中ひかる
(ミネルヴァ書房、2013)
2『角川国語辞典』(角川学芸出版、2009) 
3『戦う広告 雑誌広告に見るアジア太平洋戦争』若林亘(小学館、2008)


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月経帯時代の生理用品と広告 16:30 -
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