生理用品と古書の雑記

むかしの女性はどうしてた?古雑誌でたどる月経帯からアンネナプキンまで
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昔の雑誌でからだのために生理用品の手製を奨めていたけど、事情が変わってきた昭和前半
わざわざ拵える必要もなく、持ち運びにも便利で
衣服を汚す心配もない使い捨ての生理用品が広く行き渡り、
入手しやすくなったのは1960年代のことです。

それより半世紀以上も前から生理用品は販売されていましたが、
昔の生理用品の値段と家計内訳をみたら、買わない方が普通なのではないかと
思ったということは前回の記事にUPしました。

入手しやすくなるまでのその間、雑誌では月経処置の方法と併せて
身の回りでよく使われている素材を利用した月経帯の作り方も伝えていました。

大正時代には月経用婦人サルマタを、昭和初期にはメトロンバンドを
考案した東京至誠病院長の吉岡弥生医師は、1929(昭和4)年の
『婦人世界』10月号の「月経時の身だしなみ」と言う記事で
ゴム製の月経帯は通気性に欠けるため、体に直接触れるところには
用いないほうがよいとして、着古したメリヤス(※1)の
シャツを使った月経帯の作り方を指南しています。

吉岡医師以外にも月経帯を自分でつくることを勧める医師がいました。

1933(昭和8)年の主婦之友6月号附録『婦人衛生宝典』で
月経時の正しい摂生法を伝えた順天堂病院産婦人科部長の根本豊次医師は、
市販の月経帯は便利に出来ているが、あまり体を緊縛するものはいけない
として、安い晒(※2)で昔ながらの丁字帯を作り
汚れがひどければ一か月ごとに捨てても構わないと伝えています。

二人の医師に共通している点は、
からだにフィットする月経帯がよくないと考えているところです。

その後、1940年代に入ると全く別の理由で自分で作ることを要求されます。
生理用品も物資不足の影響を受けたからです。
そのため、節約や代用を求められるようになりました。

脱脂綿は捨てずに洗って繰り返し使うこと、どんなに古い襤褸布や端切れも
月経処置用にとっておくこと、配給制の脱脂綿が少なくて困っている
という女性たち(挺身隊)に対しては新聞紙を使うことを提案しています。
少し前までは医師が安い布で作って使い捨てにしてもよいと言っていたのですが。


1945(昭和20)年 主婦之友 新年号より

津村節子の自伝的小説『茜色の戦記』(新潮文庫、1996)には、
1945年当時の月経処置事情が窺える以下のような場面があります。


「空は夕焼けで、茜色に染まっていた。人気のない畠の中の道を、
私と同じ年恰好の女学生が歩いて行くのが見え、
私は彼女に追いつこう、と足を早めた。
空襲になった時、一人よりも二人のほうが心強いと思ったのだ。
その時、彼女のズボンの裾から、何かが落ちた。
彼女はそれに気づかぬように歩いて行く。
私は、落とし物を教えてやろう、と思い小走りになった。
近づいて見ると、それは、屏風だたみにした新聞紙で、
少し色の変わったかなりの量の血液が染みていた。」


※参考書籍等
1、綿糸又は毛糸でつくったのびちぢみする編み物
『角川国語辞典』(角川学芸出版、2009)
2、漂白した木綿や麻の布、
薬品漂白、天日さらし、雪ざらしなどの漂白方法がある。
『改訂版実用服飾用語辞典』山口好文編(文化出版局、1992)


ありがとう最後までお読みくださってどうもありがとうございます。
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